引き篭り魔法使いが術を失敗して、巻き込まれてしまいました。

  

23.引き篭り師弟と、子猫たちに息衝く魂たち4


 「そういえば。廊下の窓部分、私、近づいた時は、ぶつかったです。フィーネと、ディーバさんは、違ったですね」

 廊下に響かせていた靴音が、ぴたりと止みます。
 魔法陣のない空は、やっぱり慣れなくて。見とれながら歩いている途中、ふいに思い出しました。フィーネのこと、考えていたからでしょうか。大粒の涙を散らし、羽ばたいていったフィーネ。寒さに、震えてないといいのですけれど。
 
「しょーじゃったな。ふぃーねは、しゅぱーんって飛んでっちゃったのぞ」

 まだちょっとだけ鼻声フィーニスの、同意。かくいう私も、フィーニスとお仲間ですけど。
 夜の帳が下り始めてから、随分とたちますが。ディーバさんが貸してくださったポンチョを羽織っているおかげで、あまり寒くないです。風邪をひいて、鼻声を悪化させずにすみそう。

「それについて、ね。実行するのが早いわよ? フィーニスちゃん、通り抜けてみて」
「うな?」

 実験台、もとい声をかけられたフィーニスは小首を傾げながらも、ふよふよと廊下の窓際に近づいていきます。
 ちょちょいっと。くりぬかれた石の窓の間に、手を伸ばすと。頭に響く音と共に、魔法陣が姿を現しました。私の額に激突した時と同じ現象です。
 ですが、フィーニスは、なんなしと通り抜けたじゃないですか!

「ありゅじの魔法にゃ!」
「そうなの。フィーネちゃんもフィーニスちゃんも、ウィータちゃんの魔力を持ってる式神。だから、跳ね返らなかったのね」
「私も、魂の固定、ししょーの魔法で、してるですよ?」

 そうなんですよね。私の魂や身体には、師匠の魔法が絡みついてます。
 フィーニスたちが通り抜けられるなら、私もすり抜けられたんじゃないのかな。ディーバさんの言葉を疑っているわけじゃありません。純粋に、どこが相違点なのかなって。

「子猫ちゃんたちは、魔法を感じて、無意識で中和しているのね。私は、術式を教えられてる。半ば強制的にしたの。だけどアニムは、中和の魔法を発動していないからね」
「にゃるほどにゃ! たしかに、魔力触れた瞬間、フィーニスの身体の真ん中から、ふにゃにゃって魔力が染み出てるのぞ」

 フィーニスの姿勢は、あれです。窓ガラス拭くのに、さっしに跨って、ガラスの効果で遊んだ、内側と外側。微妙に左右に動いているのが、可愛い!
 ふにゃにゃという感覚、残念ながら私は知り得ません。私も魔法が使えるようになったら、通り抜けられるのかな。
 ふにゃにゃは、あまり心地よい感覚じゃなかったんですね。フィーニスはすぐに私の肩に戻ってきました。おまけに、すりっと頬ずりされましたよ。ふへっと頬が緩んじゃいます。
 まるで、お互いが、今の自分の姿での触れあいを、確かめるような行為。けれど、嫌なものじゃなくって、大切な儀式みたいな神聖なものにさえ感じられます。

「ここの階段をあがりきると、屋上に出られるの。ウィータちゃんもいるし、扉にはまだ鍵はかかっていないはずだから」
「はい、ディーバさん、ありがとうです。ブランケットと、お弁当も」
「いいえ。私、紅茶を飲みながら、積んだままだった本でも読んでいるから、ゆっくりしてきて」

 お弁当のバスケットとポンチョの他に、ウィータ用のブランケットも貸してくれたディーバさんです。本当に気遣いの女性。本をっていう一言にも、私が気に病まないようにっていう気持ちが含まれています。
 手を振ってくれるディーバさんに大きくお辞儀をすると、鈴を鳴らしたような笑いが零されました。

「じゃあ、行ってきます」
「逃亡したふぃーねのやちゅに、がつんって言ってやるのぞ!」
「はい、いってらっしゃい」

 ポンチョの胸ポケットにおさまったフィーニスが、拳を突き上げました。本当は、叩いたのを謝らなきゃって呟いてたの、知ってるんだから。
 笑おうとしたのに。どうしてだか、鼻がつんとして。自分の鼻を摘むだけにしておきました。


* ***


「ぶわっ!」
「のわぁ! しゅごい風なのぞ! あにみゅ、ぱんつは大丈夫かいな!」
「あっ、うん。ありがと、フィーニス。平気だよ」

 フィーニスってば。毎度のことながら、心配の方向をお母さん憂いちゃう!
 こんな時間の屋上、しかも肌寒い日に人はいないと思うので、見られてはいないと思うのです。ウィータは、いるんだろうけど、お子様パンツには興味なさそうだし。っていうか、思いっきり明言されてましたね。とほ。
 いやいや、私。落ち込むことないんだ。ウィータは……ウィータ、ですもん。
 どのみち。フレアスカートとはいえ、中にレースがいっぱい入ってるから、簡単には披露《ひろう》されませんけどね。
 しょんぼりと方を落とした私を見上げるフィーニスの瞳は、どこまでも純心!

「うん。ほんとに、もう、だいじょーぶだ。私。自然に、お母さんって、出てきた」
「うっうな? あにみゅ、うっとり奇妙な笑顔なのぞ。あんま、頭が大丈夫っぽくないのぞ? 泣き過ぎて、混乱してるのぞ?」

 フィーニスはフィーニスだもんね。と心の中で呟いて微笑んだのに。フィーニスには、怯えられちゃいました。加えて、若干引き気味です。
 奇妙なんて乙女に言っちゃいけません!

「やっぱり、フィーニスには、乙女心の、なんたるかを、教えてあげなきゃだよ」
「ふぃーねみたいなこちょ、言わんで欲しいのぞ。それより、あにみゅ、すごいにゃ!」

 胸ポケットから出てきたフィーニスは、鼻に皺を寄せたものの。すぐさま、感動の声をあげました。
 つられて、一歩前に出た足。屋上が見渡せる状態になります。

「わぁ! 空中庭園みたい!」
「うにゃ!! 絵本でみた、空中庭園ぞ! お月さまも近くて、お花もいっぱいで、綺麗なのじゃー! あまーい、あまい、香りじゃー!」
「降ってた、花びらは、ここからのも、あったんだね」

 ほぅっと、感嘆の息が落ちました。眼前に広がるのは、美しいグラデーションを描いている花壇。石畳の狭い道、両脇には花が咲き誇っています。風が運んでくれるのは花びらだけではありません。フィーニスが堪能している、甘い花の香りも。夜の澄んだ空気が、匂いを強めている。
 そして、何より。月が近い。大きなおおきな蒼い月が、空に浮かんでいて。今日一日で壊れた涙腺から、いとも簡単に雫を零させました。

「どうして、だろう。胸が、ぎゅっと、する」

 悲しいんじゃない。だけど、感動だけでもない、複雑な感情。
 正体不明な、心の奥に生まれたモノ。それでも、答えのなさに苛立ちはわきません。この世界に触れられた嬉しさや、やるせなさなのかなって。ぼんやりとですが、感じました。
 元の世界にも月があって、この世界も変わらない。衛星なんて単語に置き換えてしまえば、ただなんてことない、宇宙の法則のひとつ。
 けれど、どうしてでしょう。舞い上がる花びらと、静かに浮かんでいる月があわさると、切なくて仕方がなくなるんです。

「あにみゅ! お月さまの光あかりゅいな! あっちには、茨の園、あるじょ! あっ! 下のお堀のとうろう、魂みたいじゃ。ふぃーにす、魂の光、知ってるのぞ」
「フィーニス、飛ばされないようにね!」
「平気じゃぞ! だって、魔法陣なくって直接のお月さん、近いのじゃもん!」

 なっなぜ、お月様が近いと大丈夫なのか。私には理由はわかりません。
 でも、あぁいう時のフィーニスの言い方は、本当に問題ないと確証が持てます。……根拠はないけど。うん、経験からの直感も、大事。
 はしゃいで飛び回るフィーニスに、私は地上からゆっくりと着いていきましょう。
 再び、けれど、今度は優しく吹いた風。おぉ。髪が、舞い上がる。フィーネをお迎えにいって、獅子舞の髪だったら怯えられちゃうかもです。とはいえ、片手にバスケットと、ブランケットを抱えてますからね。事前の防衛は断念して、風にされるがまま。

「うん? 人影?」

 蒼い月を見上げていた横目に、黒い影が見えた気がしました。が、髪が落ち着いた頃には、すっかり見当たらなくなっていました。
 いやぁぁ! おっお化けとか幽霊とかじゃないですよね?! やっ、やめて、やめて!

「ふぃっフィーニスー!」
「あにみゅー! あっちも、こっちも。ぜーんぶ、空中庭園にゃぞ! あっちの建物は、果物の香りが、しゅるぞー!」

 頭上から落ちてくるフィーニスの甘くて可愛い声に、全ての感覚を集中させます。うん、ぷりっけつ! 興奮して花びらを捕まえようとしている姿は、極上。
 お願いだから、一人にしないでね!
 花びらと月が重なって、デジャブに襲われます。どくどくと心臓が跳ねているのは、お化けもどきのせいじゃない。

「そうだ。過去に来る、魔法陣ぶつかった時。大量の花びらの、奥に広がった、光景に、似てる」

 過去に飛ぶ際、花吹雪に包まれました。最初は、南の森で見た、幻のような光景と同じだなんて思ったけど。違った。自分では見たことなんてないはずの、景色でした。
 数回の瞬きの間だけだったけど。足元に広がっていたのは地面じゃなくって。灯籠が流れているよりも、多くの水――湖でした。湖の中からそびえていたのは、一本の、だけど想像出来る範囲を超えた巨木。何より印象的だったのが……雨が降っていたのに、空には雲ひとつなかったんです。妖しげに浮かんだ蒼い月と、カローラさんに似た淡い桃色の花びらたち。
 だから、さっき、涙が出たんだ。その光景を見た瞬間、私が師匠を想って切なくなるのと同じ感覚、だけれども、何千倍も何万倍もの苦しみを抱いたのが、蘇ってきて。

「あにみゅ! 端っこに樹があるにゃけど、しょこにありゅじがいるっぽいのじゃ」
「よっ、よかった。ウィータの影、だったんだ」

 フィーネに会えるのにどきどきするのと一緒に、お化けじゃなかったのだって安堵しましたよ。
 瞬きをしたフィーニスを片腕に抱く腕に、力が入ってごめんです。
 さくさくっと花の道を進みましょう。幸い、いくつかの花が光っているので、月明かりと協力して、転ばずにすみそうです。

「ふぃーね、まだ拗ねてるかにゃあ。ふぃーにす、ごめんなさいしたら……お弁当食べたら、元気なるかにゃ?」

 茨のアーチを抜けたところで、ぽつりと落とされた囁き。ともすれば、風に掻き消されてしまうような声でした。
 音の主であるフィーニスは、私に顔を見られたくなかったのでしょう。よじよじと肩に上ってきます。しっかり首元にくっついてきたので、フィーニスの思惑通り、伺うことは叶いません。でもね、わかります。伝わってくる心臓の音と、雰囲気から。

「うん。フィーニスが、ディーバさんと持ってきてくれた、お弁当だもん。絶対、フィーネ、ふにふに笑うよ! その前に、フィーニスみたく、いっぱい泣いちゃうかも、だけど」

 最後は、ちょっと意地悪っぽいような、からかうっぽいような、口調で。
 案の定、フィーニスは肩をてしてしと叩いてきました。肉球叩きなんて痛くないですよー。むしろ気持ちがよくって、頬が緩まっちゃいます。可愛いのう。

「あにみゅだって、滝みたく、どばどばーって、泣いてたくしぇにー!」
「あれ、そーだったかな。フィーニスが、瞼、撫でてくれたり、ちゅってしてくれたりしたから、すっかり忘れてた」

 自分も泣いているのに、フィーニスは約束どおり瞼に口づけして、とんとんって撫でてくれたんです。フィーニスの涙が瞼を濡らしてきて、あったかくて。ひりひりしていた瞼が、癒されていきました。
 まぁ。実際は、目は真っ赤だし、瞼は腫れぼったいしで、フィーネにお化けって驚かれないかが、ちょっと不安です。一応、顔は洗ってきたけれど。

「ふぃーにすだって、おんなじぞ!」

 ぷんと、そっぽを向いてても、尻尾が首の後ろに絡んできてる。くすぐったいやら、可愛いやらで。頭を傾けて、ぐりぐりと擦り寄っちゃいますよ。「なんぞ!」とちょっと怒った口調で叱られてしまいました。
 それでも、今日は甘えたいのか。数秒もしないうちに、おひげが耳をくすぐってきました。
 
「静かだね」
「んにゃ。ふぃーねとありゅじは、おしゃべりしてにゃいんかな?」
「泣き声は、聞こえてこない、けど」

 夜の静けさの中、響いているのは私とフィーニスの声。あとは、風が花や葉を揺らす、ざぁっという音ばかりです。
 ウィータはともかく、フィーネの声も泣き声も聞こえないのは心配です。フィーネがまた、一人でどこかへ行ってしまったんじゃないかって。
 茨のアーチの出口が見え、自然と動く足は抜き足差し足。遠慮がちに顔を覗かせると、建物の一番端っこに樹がたっていました。りんごの樹っぽいけど、実は光っていて、まるでランプ。私の身長でも、爪先立ちすれば実に届きそうなくらい、低いです。

「ありゅじ、寝てるんかいのう」
「動かないね。フィーネは……よかった、ウィータの手の中、いるね。フィーネ、泣きつかれて、寝ちゃったのかも」

 小さな樹にもたれ、片膝を立てているウィータ。立てた膝に頬杖をついています。反対側の手中で、すやすやと寝息を立てているフィーネがいました。ウィータの衣装が黒い分、白猫フィーネが目立って、すぐ存在が確かめられて良かったです。
 そろりと近づいても、反応はありません。ならばと。しゃがんで顔を覗きこんでも、アイスブルーの瞳は現れませんでした。寝顔が凜としているのは、師匠と一緒。
 師匠は、膝枕するようになってから、可愛い寝顔も見せてくれるようになったなぁ。

「わずかにだけど、胸が上下してるね。今日、いっぱい、フィーニスたちの、治療魔法も、時間魔法も、使ってくれたから、疲れてるのかも。起きるまで、待ってよう。しーって」
「しー、にゃ」

 唇に人差し指を添えると、同じようにウィータを覗き込んでいたフィーニスも真似てくれます。フィーニスの場合、掌で口をおさえてです。
 ウィータの顔に触れる直前まで伸びてしまった指を、誤魔化したかっただけなんですけどね。思いがけず、可愛い姿を見られました。出会って間もない女に、無防備の状態で顔を触られるのは、どう考えても嫌でしょう。

「ブランケット、どうやって、かけようか。なかなかに、掛けにくい姿勢で、寝てくれちゃって」
「あにみゅ、こっちの肩にいれたらどうじゃ?」
「ふぃーにす、名案。そっと、そっとね」

 内緒話の音量です。出来るだけ柔らかい手つきで、フィーネを抱いている左肩に、フィーニスがウィータの肩に触れたせいか。ウィータが一瞬身じろぎました! チャンスを逃さず、べっとで、差し込みます。成功!
 もう一方は……うっうん。すっごい不恰好なかけかたになったのは、ご愛嬌。頬杖ついている腕の隙間に、ねじ込んでおきました。
 長さはあるので、ちゃんと膝までカバーできてるし、いっか。

「フィーニス、こっちに、座ってよう」
「しょっちだと、ありゅじのお顔、見えんのじゃ」

 立てられている膝側――茨の道に近い方に腰掛けても、フィーニスはふよふよと浮いたままです。ふとももに乗せたバスケットをちらっと空けると、すいっと寄ってきましたけど。うん。お腹が鳴りそうな香り。
 でも、納得いっていないのか。フィーニスは、未だに頭を倒したまま。

「ウィータ、きっと、寝顔は、人に、見られたくないだろうから」
「うなな? ありゅじは、あにみゅの膝枕、好きじゃ。寝るのも一緒だから、嫌ないじゃろ?」
「ししょーは、ね。ラスターさんが、言ってた。ししょーは、昔、人に寝顔なんて、見せなかったって。それでなくても、出会ったばっかりの人、寝顔見られるは、恥ずかしいよ、きっと」

 フィーニスにとっては、どっちの師匠も主なんでしょう。私にとっては……どうなのかな。
 バスケットの上に座ったフィーニスの頭を撫でると。ぬくもりで、心が落ち着いていきました。フィーニスは目を細めて、されるがままにしてくれています。
 樹にもたれると、自然と視界には夜空が広がります。さっきはあまりに大きな月にばかり目を奪われてしまいました。
 空を埋め尽くす星も、すごい。満天の星空。星雲まで見えてしまいそうなくらい。

「星座なんて、わかんないくらいの、数だね」
「花クッキー座は、見つけたいのう」

 真剣なフィーニスには悪いですが。堪えきれず、噴出しちゃいました。幸い、本気で、あっちもこっちもと指差し、理想の花クッキーを作ろうとしているフィーニスには届きませんでした。
 というか、わずかに、ウィータがかくんと動いたような。
 じっと見ても、それ以上の動作はありませんでした。

「お月さんと、星が、あまりに綺麗でね。まるで、魔法の欠片が、空に散りばめられてる、みたいだな。地上と空。両方、魔法で溢れてる、ね」
「じゃな。ふぃーにす、知ってるのぞ。アメノねーちゃや雪夜たちいた世界は、夜も明るくって、星はあんま見えんかったって」
「そ、だね。外国に行けば、満天の星空って、あるだろうし。私の国でも、山奥や都会じゃなければ、それなりに見えたけど……この世界は、比べ物に、ならないくらいの、空」

 元の世界とは違う。頭上の月や星が魔法を含んでるって――輝いているって考えたのは、何故でしょうか。魔法がある世界だから? それとも、隣に大好きな師匠《ウィータ》がいる、から?
 って、私。なんという、乙女思考に! ロマンチックなんて、似合わないよ!

「ふぃーにす、あにみゅに読んでもらった絵本に、星は月の涙じゃから、魔法の欠片って呼ばれてるってあったの、思い出したのじゃ」
「あったね。じゃあ、お月さまは、あんなにも、たくさんの涙、流したのかな。そしたら……悲しいね。綺麗なのに、悲しみの、美しさなのかなぁ」

 魔法の欠片と浮かんできた原因を発見出来たのは、すっきりしたけれど。今度は、呼吸が苦しくなってしまいました。
 空を埋め尽くしている星が、月が零した涙なら。月はひとりぼっちで、淋しくて、切なくて、泣いたのか。今も、泣き続けているのか。
 決して手の届かない場所。たくさんの命を抱いた鮮やかな惑星《せかい》に、焦がれて――。




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