引き篭り魔法使いが術を失敗して、巻き込まれてしまいました。

  

13.引き篭り師弟と、謎の傀儡(かいらい)11


「フィーネ! フィーニス!!」
「むかつく、むかつく、むかつく!! もう、全員、しんじゃえ!!」

 凪ぐように襲い掛かった枝。声をあげる隙もなく、地面に叩きつけられたフィーネとフィーニス。止まった時間。
 ぐったりとした二人を前に、私の心臓だけが動いているように思えました。

「あ……にみゅ。にげ……る……のぞ」
「黙れよなぁー」

 傀儡もどきは、つま先でフィーネとフィーニスの体の向きを変えています。
 何をする気? あっちは……崖?
 傀儡もどきが、太ももを後ろに引きました。何度も小刻みに揺らしています。まるで、素振りみたい。
 駄目、二人が危ない!!
 私の本能が総動員で警鐘を鳴らし出しました。しっかりしろ、私!! 自分を叱咤した直後から。不思議と、傀儡もどきの動きがゆっくりして見えました。自分が地面を蹴るのも、です。
 腕に二人を抱きかかえた私の横っ腹に、有り得ないくらいの衝撃がきて――。

「――っ!!」
「あれー順番にって思ってたのになー」

 傀儡もどきの声が遠ざかっていきます。
 体の神経が麻痺するのと引換えに、思考は冴えだしたようです。冷静に、今自分が崖を転がり落ちているんだ、どこまで続くんだろうと、認識出来ています。断崖絶壁でなくて良かったとさえ、考えています。もう、痛みは感じません。
 止まったと理解出来たのは、どれくらい時間がたってからでしょうか。口の中で砂利(じゃり)と血と、それに胃液が混ざり合った気持ち悪さで、むせました。そのおかげで、まだ生きてるんだと実感しました。
 べちゃっと何かが降ってきましたが、もうどうでもいいです。むしろ、冷たい液体が気持ちよくさえあります。香ってきた甘ったるい香りで、果物の汁なのだとわかりました。
 あー、ちゃんと頭は回ってるのだと安心した途端、皮膚を内側から裂くような熱も戻ってきてしまいました。良いのか、悪いのか。フィーネとフィーニスの熱さも伝わってきます。

「いたいたーもう! つまんない死に方、しないでよねー」
「かっ……はっ」

 ぐっと。髪を捕まれたようです。べたついた髪が唇に張り付いてきます。汗なのか果汁なのか、それとも血なのか。
 私、ここで死んじゃうのかな。帰りたいのか残りたいのか、師匠にちゃんと返事しないまま。いやだな。
 そうです。ここで私が諦めたら、フィーネたちも助からない。私だって、師匠に想いを伝えられない。師匠は絶対、助けに来てくれる。
 だから、私はせめて自分が出来る足掻きをしなきゃ! 頑張れ、アニム!!

「は……なしな……さいよ」
「はー? なに、虚勢(きょせい)はっちゃってるのかなー」

 睨みあげようと歯を食いしばります。と、いらついた傀儡もどきに殴られるのを覚悟した、その時。瞼から染みてきた光。
 不思議と直感しました。師匠の転位魔法だって。

「汚い手で、アニムに、触れてんじゃ、ねぇよ」
「ぐあぁぁぁぁ!!!」

 静かな森に響き渡ったのは、傀儡もどきの絶叫でした。
 短く切られた声はとても低く、聞いたことのない音程でした。でも、師匠だ。間違いなく、師匠の声だ。どんなに耳にしたことのない怒気を含んでいても、わかります。
 傀儡もどきが手を離した際、地面への激突を覚悟しました。けれど、ふわりと柔らかく横たわれました。師匠の魔法です。しかも、とてつもない勢いで回復していきます。マイナスイオンに包まれているみたいな清涼感と、ふわふわの毛布に包まれているような心地よさ。
 はふっと零れた吐息に、痛みを覚悟しますが、いつまでたっても息苦しくはなりませんでした。

「ししょー?」

 視界良好です。少し離れたところで、転位魔法の名残を残した光の粒子を纏っている師匠も、ちゃんと見えます。ふわふわと浮いている魔法の灯りたちのおかげで、師匠は無傷なのが確認出来ました。服が所々汚れてはいるけれど、師匠の顔や手は綺麗なままです。無事で、よかった。
 ただですね。目じりがこれ以上ないくらいあがっていてですね。視線でやられそうなくらい、激憤のオーラを放っているんですよ。白い肌に血管が浮きまくっています。
 心底ほっとしたのか。折角立ち上がれるようになったのに、腰が抜けてしまいました。

「アニム、悪い。遅くなった。もう大丈夫だ」

 突き出していた魔法杖を降ろした師匠は、眉を下げました。へにゃんと申し訳なさそうな表情に変わった師匠。申し訳ないというよりは、ひどく後悔しているように見えてしまいました。師匠は悪くないのに。
 腕の中で、鼓動を鳴らしているフィーネとフィーニスの体温も、余計に涙腺を緩めます。でも、まだ鼓動は弱々しいです。

「フィーネとフィーニスが!」
「あぁ」

 ただ、いくら師匠の魔力が栄養になるとは言え、私とは比べ物にならいくらい小さい体に受けた傷と、魔力を消費していた影響でしょう。完全には癒えていない二人を、シャボン玉のような泡が包みます。そっと腕を解くと、ふわりと浮かびました。
 すやすやと寝ている時と、同じ顔つきになったフィーネとフィーニス。
 ぷつりと、緊張の糸が切れてしまいました。ぼろぼろと、馬鹿みたいに涙が落ちていきます。

「ししょー、ししょー、ししょー!」
 
 みっともなく師匠を呼んで手を差し出すと。師匠が真っ直ぐ駆け寄ってきてくれました。そのまま、膝をついて、思い切り抱きしめてくれます。加減のない腕が、きつく締め付けてきます。でも、全然いやじゃありません。苦しくありません。むしろ、幸せです。
 私も、師匠の広い背中を掴みます。師匠は何度も頭を撫でてくれます。髪を滑る指で、止め処なく涙が流れました。

「アニム。怖かったよな。痛かったよな。あんな怪我させて、ほんと悪かった。せめて、魔法映像を開くか、一緒に行動すれば、ここまでの事態は防げたのによ。オレの判断ミスだ」

 きっと。魔法映像を出しておかなかったのは、傀儡の繰り主が私を察知する時間を引き延ばしてくれようとしてくれたから。繰り主と対面した際、背景の情報や魔力感知で、私の居場所がばれる可能性が高かったからですよね? 一緒に連れて行かなかったのは、ちょっとでも私を危険な目にあわせないため。全然、師匠の判断ミスじゃありません。全部、私を思ってくれての行動だって、わかってます。

「違うよ。私、ウーヌスさんにも、守護精霊様にも、守って、逃がして、もらったけど、逃げ切れなくて。フィーネとフィーニス、守ってくれた。のに、すごく、痛い目、あわせちゃった。ししょー、ちゃんと、助けてくれたっ、ふっ。でも、でもね……とっても、怖かった。このまま、ししょーと、離れたまま、死んじゃう、思った……!」

 嗚咽(おえつ)交じりで、いつもよりさらに途切れて拙い言葉にも、相槌を返してくれる師匠。それが嬉しくって、もう泣き声しかあがらなくなってしまいました。師匠の胸に額を擦りつけます。師匠の背中を掴んでいた手が、がたがたと震えるのも止められません。
 一度、ぎゅっときつく抱きしめられると、頭で軽く手が跳ねました。顔をあげると、今度は頬を撫でられます。優しく目元を滑る指が、さらに涙を誘うのに。両手に頬を包み込まれて、ただただ、安堵の涙は溢れ続けます。

「アニム、生きててくれて、良かった。お前の姿を見た瞬間、ほんとに心臓が止まったんだ。赤い果汁は血に見えたしさ。血の気がひくなんて、いつ振りか……とにかく、生きてる心地がしなかった」
「ししょー、血管、浮いてたよ」
「あれは、我を忘れて――って、あほアニム。んなこと、どうでもいいだろうが」

 すみません。師匠が今にも倒れそうな顔色をしていたので、私なりに気を紛らわしたつもりだったんですけど。
 それにしても、血と果汁の判別がつかないくらい、師匠が我を忘れるなんて。きょとんと瞬いた私を見た師匠は、咳払いをしました。誤魔化した師匠の額を撫でると、もう血管は浮いていませんでした。怒ってはいないようですが、代わりに呆れ顔を向けてきます。
 普段と変わらないやり取り。けれど、師匠の瞳から心配の色は消えていません。

「弱音、吐いて、ごめんです。もう、平気だよ」

 また、すっぽりと包み込まれました。師匠の体温が、私に染み込んできます。胸に耳を当てると、早鐘を打っている鼓動が聞こえてきました。師匠の無事を実感させてくれるのと同時、私自身も生きているのだと教えてくれる鼓動です。
 師匠の心音を堪能していたのに。身体を離した師匠に袖を捲くられました。

「まだ、細かい傷は消えてねぇよ。腕も足も、擦り傷だらけじゃねぇか。アニムが治癒魔法ききにくい体質って言っても、あんだけ強力なもんで傷が残ってるなんて。改めて肝が冷えるぜ」

 ぶつくさ言いながらも、師匠は立ち上がらせてくれました。横に投げ出されていた魔法杖を拾い上げると、胸の前に翳してきました。ほんわりと、あたたかい空気が芯から広がっていきました。
 ん? 沸いてきた違和感は、一体。と、心当たりを見つけて、かっと恥ずかしさに染まっていきます。

「ししょー! 傷、服の上からも、治るなら、この前、夜着、脱がせたの、どーして!」
「うっせぇ! 肉体に対して障害物がすくねぇ方が、治癒魔法は効くんだよ! ここでひん剥くわけにもいかねぇーだろうが。心配しなくても、帰ったら、きっちり治してやるよ」

 くそう。真っ赤になった癖に、すぐ元に戻ってにやりと口の端をあげられて。私が黙るしかないじゃないですか。でも、今は意地悪顔も心を落ち着けてくれます。
 じっと、魔法のぬくもりに浸っていると、ぴりっと肌に電気を感じました。敏感に察したのか。眉を潜めた師匠の視線が動きました。それを追うと、先ほど師匠が現れた場所に、光が集まっているところでした。

「アニムちゃん!! 無事?!」

 転位魔法から飛び出してきたのは、髪を乱したラスターさん。汗だくの様子で、駆け寄ってきてくれます。二の腕まである手袋は無残な破れ方をしていますが、血で染まってはいないようです。
 ラスターさんの賑やかな声が、自然と笑顔を引き出してくれました。

「ラスターさん! 私、大丈夫です。ラスターさんも、怪我ないです?」

 両腕を広げて向かってきたラスターさんと私の間に、治療の手を止めた師匠が滑りこんできましたよ。私も師匠との接点を外したくなくて、服を握ったままですが。
 師匠の行動は、ラスターさんの予想の範囲だったようです。ラスターさんは唇を尖らせただけで、特に師匠を押しのけたりはしませんでした。

「もっちろん! それにしても、ウィータったら。アニムちゃんを狙ってるってメトゥスの戯言(ざれごと)に動揺しまくった挙げ句。一人でさっさとアニムちゃんのとこ来ちゃって! あぁ、でも、それはおいて置いて。アニムちゃんが無事だったなら――」

 表情豊かにしゃべるラスターさんの言葉が、ぴたりと切られました。
 はて、どうされたのでしょう。じっと一点を食い入るように見つめていらっしゃいます。ラスターさんの視線が落ちている先を確認して、慌てて袖を引っ張りあげました。
 が、時すでに遅し。
 ゆっくりと傍に浮いているシャボン玉を見て、また私に戻ってきました。
 師匠の治療済みをアピールしようと、師匠の後ろから乗り出すと。

「ウィータが治癒魔法使って傷が残ってるってことは。もっとひどい状態だったのよね?」
「あっあの、ラスターさん! 私、もう、痛いトコ、ないですよ! って、もうじゃなくって!」

 すっかり存在を忘れていた傀儡もどきへ向きを変えたラスターさんは、前髪で表情を隠しています。ので、目つきはわかりません。けれど、全身から怒ってるオーラをぶちまけています。
 ひえぇ。私を気にかけて怒ってくださるのは、とっても嬉しいです。けれど、ラスターさんには、妖艶だったり華やかだったりする笑顔の方が似合ってらっしゃいますよ!

「あいつね……」
「ラスターさん! ししょー、やっつけてくれた! でも、傀儡もどき、狂人! 危険です! ししょーも、止めて!」

 つかつかと、転がる小石につまずくこともなく。ハイヒールを履いたラスターさんは、樹の根元で泡を吹いている傀儡もどきに、一直線に進んでいきます。
 ただならぬご様子のラスターさんです。師匠の袖を引っ張って、制止をお願いします。私だと、簡単に突破されそうなんですもん。

「おーい、ラスター」
「文句ある訳じゃ、ないでしょ?」
「思いっきり、踏んづけてやれよ。ヒールで捻り切ってやるのも、ありだな」

 ぎょっとして、師匠の横に並んで顔を覗き込みます。師匠は、やっほーと言わんばかりに、口横に手をつけて、澄まし顔で背中を押しちゃいましたよ。
 私も横っ腹蹴られましたけど。ハイヒールは痛そうです。と、想像している間に、「ぐげっえ!!」なんて悲壮な叫びが森を揺らしました。まぁ、フィーネとフィーニスを傷つけた報いですよね。
 ばっと、鳥たちが飛び立っていきました。はて。鳥? 傀儡もどきに追われている時には、生き物の気配はしていなかったのに。
 疑問に首を傾けつつ、無意識に蹴られた横っ腹を押さえていたようです。師匠がそっと手を重ねてきました。やばっ。

「おい、アニム。まさか、お前、魔法じゃなくって、直接腹を殴られるか蹴られるかしたのか?」
「へっ?! へへ。っていうか、ラスターさん、ヒールで踏むは、変態、喜ぶだけかも! ですよ!」
「どうしてお前は、そう変な突っ込みで誤魔化しやがるんだ」

 師匠が傍にいてくれるからですよ。通常運転でいられるのは。
 さらに誤魔化そうとしますが、腕をとられたのと反対の指がお腹に触れようとしたのに。身体が勝手に飛び上がってしまいました。それはもう、鮮魚のように。ぴっちぴちと。
 ラスターさんはさらに傀儡もどきに体重をかけるし、師匠はみるみる悪役大魔王さながらに背筋が凍る笑いを絞りだすし。私の精神力が削られていきます。たすけてー。助けてもらったはずなのに、別の意味で助けを求めてしまいます。

「きさまは絶対許さねぇ。肉体と精神の苦痛の中で、生きていきやがれ」

 師匠の平淡な口調に、さすがの傀儡もどきも土気色になっていきます。もしかしたら、私にはわからない魔力もぶつけているのかもですね。
 ラスターさんがしゃがみ込み、傀儡もどきの表情は見えなくなってしまいました。足がばたついているのだけが、わかります。
 魔法杖をゆっくりと掲げた師匠は、無表情で呪文を唱えています。詠唱が終わるころには、傀儡もどきは氷の中に閉じ込められていました。やっぱり、さすが師匠。あっけない幕引きに思えるくらい、圧倒的強さです。

「ししょー、あれは――」

 師匠に腰を寄せられたかと思うと、どうしようのない眠気が襲ってきました。霞んでいく視界。がくんと、果たして、今日何度目になるかわからない感覚を覚えました。
 ですが、膝をつく前に、師匠に横抱きにされていました。私を見下ろす師匠は、柔らかく微笑んでいます。「よっこら、せ」なんて年よりめいた掛け声で、抱えなおしたりして。師匠らしい、なんてほっと息が落ちていきました。

「ラスター、後始末は静寂(せいじゃく)の丘にいる主(ぬし)に依頼してくれ。ウーヌスと守護精霊が片してくれた傀儡どもの件もあわせて、良いように計らってくれる。今回は、不可侵の魔法をこの森にかけて、動物たちが逃げれねぇようにして手にかけやがったし、結界内全体で諸々損害を受けてるからな」
「えぇ、了解よ。まったく、こっちが不可侵の結界を張れなかったのをいいことに、メトゥスは好き勝手に魔法使いまくって、結界内の秩序を乱し捲くってくれちゃって」
「不可侵の結界をはったら、逆にアニムの位置を知らせてるようなもんだったからな。メトゥスは逃すし、アニムは傷つけちまうし、結界の調律しなおさないといけねぇしよ。……覚悟決めて、アニムに尋ねたってのに」

 最後だけ、ボソリと呟かれました。ラスターさんには届かなかったようで、別段突っ込みもありませんでした。私も船を漕いでるので、聞こえてないと思っているのかもです。
 夢に落ちかけたところで、細い指が前髪に触れてきました。

「本当はアニムちゃんの心と体の傷を癒してあげる役割の方が、断然いいけど!」
「うっせぇ。アニムの世話は、オレの役割だっつーの。それと、どさくさに紛れて触るな。寝顔を見るな」
「あんた、こんな時までけちくさいわねぇ。余裕がない男は嫌われるわよ?」

 ふんっ、と。師匠が鼻を鳴らしました。子どもみたい。師匠ってば、ほんとギャップが激しいですよね。
 そうそう! 寝てる場合ではありません! 師匠の胸元を引っ張ると、二人の視線が一斉に注がれました。

「アニムは安心して寝てろ。家に着いたら、ちゃんと起こしてやるからさ。それとも、背負われるほうが良いとか?」
「違う……よ。フィーネとフィーニス、元気なるまで、撫でて、たいの……ウーヌスさんも、むかえ、行かなきゃ……ししょーの声、も、聞いて、たい」

 うつらうつらとしながらも、訴えます。守護精霊様にもお礼を言いたいです。でも、そこまで要望すると、師匠にお叱りを受けるのは想像がつきます。自分の体力考えろっ、て。
 すいっと。近寄ってきたシャボン玉。その中で、フィーネとフィーニスが笑顔で羽をぴこつかせていました! よかった! 頬が緩んでいきます。ほんとによかった。
 師匠から、額にキスが落とされました。その柔らかさが合図になったのか。一気に睡魔が蘇ってきます。

「後でいくらでも聞かせてやるよ。お前が言って欲しい言葉があるなら、満足いくまで応えてやる。だから、今ぐらい、師匠の言うことを素直に聞いておけ」
「あんた。人様、しかもあたしがいる横で、よくもまぁ、ぬけぬけと。恥ずかしげもなく、甘ったるい台詞吐けるわね。っていうか、あのウィータが、そんな声で女の子の耳元で囁く日がくるなんて、天変地異が起きそうだわよ。改めて、思っちゃったわよ」

 ぶるっと。腕を抱きしめて身震いをしたラスターさんに、なんだか和んだところで。ふっと意識が途絶えました。
 ようやく、長い一日が終わろうとしていました。




読んだよ


  





inserted by FC2 system